最高裁判所第三小法廷 昭和38(オ)1340 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人らの負担とする。
理 由
上告代理人松島政義の上告理由第一点について。
被控訴人(被上告人)は、昭和三〇年三月本件建物を訴外Dの所有名義に登記し
た際、Dに対し同建物の敷地である本件土地を無償で使用することを許したにすぎ
ず、Dが同土地について被控訴人に対する地上権ないし賃借権を有していたことは
認められない旨の原審の判断は、証拠関係に照らし、相当である。したがつて、原
判決に所論の違法はなく、所論は、ひつきよう、原審の専権に属する事実の認定を
非難するに帰するから、採用できない。
同第二点について。
所論引用の原判示に誤りのあることは所論のとおりであるが、控訴会社(上告会
社)が本件建物を競落するに至るまでの経緯およびDの本件土地使用権原に関し原
審の確定した諸般の事情のもとでは、控訴会社がDから本件土地の地上権もしくは
賃借権を承継取得したとする控訴人らの抗弁は失当である旨の原判示は正当である。
したがつて、原判決に所論の違法はなく、論旨は理由がない。
同第三点について。
仮処分に基づいてその執行後にその目的建物に入居した第三者を当該建物から排
除することができると解しうるとしても、この排除は暫定的なものにすぎず、右第
三者が果して目的建物から排除されるべきものかどうかについての終局的確定は判
決によつてはじめて達せられるのであるから、控訴会社以外の控訴人(上告人)三
名に対する本訴請求は訴の利益を欠くとはいえない旨の原判示は正当である。所論
は、右と異なつた見解に立つて原判決を攻撃するに帰するから、採用できない。
- 1 -
よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、
主文のとおり判決する。
最高裁判所第三小法廷
裁判長裁判官 横 田 正 俊
裁判官 石 坂 修 一
裁判官 五 鬼 上 堅 磐
裁判官 柏 原 語 六
裁判官 田 中 二 郎
- 2 -